こんにちは、青木延泰です。
昨日の続きです。
◯「傾聴」を学んでみて
「傾聴」を学び始めたころ、「聴く」相手の対象は自分以外の他人だと思っていました。
実際に、「傾聴」の基本スキル【うなずき・あいずち・くり返し】を学び、他人を相手にして「聴く」練習をしていきます。
そうして練習をしている時のことです。
私の傾聴の師匠に傾聴をしてもらう機会がありました。
仕事やプライベートで、自分が今までどれだけ悩んできたか、苦しんできたか。
私が一通り話をすると、ずっと傾聴してくれていた師匠が一つの質問をしてきました。
「今、ご自身にどんな言葉をかけてあげたいと思いますか?」
私は答えました。
「よく生きてきたね。頑張ってきたね。」
とても意外な答えだったのでしょう。
意外というかショックな答えと言った方があっているでしょうか。
ショックでその後何をしていたのかもよく覚えていません。
だけど、その時は何がショックだったのかがよくわからなかったんです。
その日家に帰り号泣しました。
悲しくてじゃなくって、
なんだかホッとした感覚でした。
その時気付いたんです。
今まで、自分自身に言い訳を許さず、必要以上に厳しく接し、自己否定していたことを。
だから自分を褒めた時にショックだったんです。
自分を褒めるなんてありえない事だったんですから。
自分を褒めることができた瞬間にすごく癒されたんです。
「そうだったんだ。自分は自分にもっと優しくされたかったんだ。」
そう気づいたのと同時に、
人は本気で傾聴されたとき、
自分の中で対話を始め、答えを見つけることができるという
傾聴の素晴らしい効果を実感したのがその瞬間でした。
「自分自身に優しくする」
そう思った時に、今度は、
「自分に対して傾聴をしよう」
と思いました。
そして毎日、自分の心の声を聴いていくうちに、自分自身に否定的だった感情が、ちょっとずつ優しくなっていくのを実感していったんです。
つまり、私にとっての傾聴は、他人の話を聴かせてもらうスキルであると同時に、自分の心の声を聴くためのスキルでもあったんです。
そうして、自分自身との対話を深めながら過ごしていくうちに、不思議なことに、仕事で上司や同僚、部下に対して「楽」に接することができるようになっていました。
学ぶ以前なら、
ケンカをしているような場面でも、
怒っているような場面でも、
向き合えずに逃げたくなるような場面でも、
相手を尊重しながら、自分の主張をでき、かつ丁寧に誤魔化さないで接することができるようになってきたのです。
間違いなく傾聴は、私にとって周りの人との関係と自分との関係をとても楽にしてくれるものだという確信を持ちはじめました。